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プログラミングと音楽とエッセイ ※記載内容は個人の見解であり、所属する組織とは一切関係がありません。

「蟲師」で見る感染

 新型コロナウイルスの感染が各地で拡がり、都市封鎖や非常事態宣言と不安なニュースがたくさん報じられている最近です。そんなニュースの中には、差別的な現象が起こっていたりなど、この感染症と本質的には関係のない暗いニュースも報じられています。 そこで、今回は、 Netflix で見られるアニメ版の「蟲師(一期)」のシリーズの中で、「感染」と同様の現象が起こる話を3つ、ピックアップしてご紹介します。

※基本的には、あらすじは Wikipedia を引用していますが、人によってはネタバレと感じられるかもしれないので、ご了承ください

10話: 硯に棲む白

あらすじ (引用: 蟲師 - Wikiwand

悪戯で、里医者化野の収集品を納めた蔵へと入り込んだ子供達が見つけたものは、「蟲の化石で作られたといわれる妖しの硯」。その晩、子供達は突然「体温を奪われる病」に襲われる。治療に出向いた先で、子供の悪戯を知り事態を悟った化野はギンコに助けを求める。調査を開始したギンコは硯の出所を突き止めるが……。

1個の硯が原因で起こる感染。結論、パンデミックとはならない感染ですが、親しい人、大事な人たちを知らず知らずのうちに失ってしまう。そういう恐ろしさが描かれています。

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23話: 錆の鳴く聲

あらすじ(引用: 蟲師 - Wikiwand

鉄に留まらず木、石、土、人まで「なんにでも付く錆」に蝕まれた村。その原因解明と治療のため、村へと呼ばれたギンコは病の起こり始めた年に生まれた、何も話さない少女に注目するが……。

人は簡単に他人を非難してしまう、そういう人心の弱さが描かれています。 「この病に関わったものは皆、同じに苦しんだのです」というセリフが心に残ります。 この回の解決法や論理は納得感があり、おもしろかったです。

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24話: 篝野行

あらすじ(引用: 蟲師 - Wikiwand

開墾の途中掘り出された「溶岩石から生えた1本の草」。村中の誰もが気にしなかったその草は、周囲の草木を枯らしながら瞬く間に山を覆いつくし村へと迫る。新種の蟲の噂を聞き調査にやってきたギンコは、村の蟲師が解決策として下した決定「山を焼き払う事」に疑念を抱き反対するが……。

蟲という異形のものと戦う蟲師の姿は、新しい感染症が出たときの医師の姿と重なる部分があるかもしれません。 そして、このような戦いはしつこく、長く続くというのも、これまたという感じです。

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最後に

アニメ版「蟲師」は、昔「蟲師」のサントラを良く聴いていた時期があり、それから数年後に2期も含めて、一気見しました。 サントラ同様、雰囲気や設定がとても良く。また、1話完結で淡々と話が進み、1話が終わるとなんとも言われぬ余韻に浸れます。

あと、昔を思い出したついでにもう一つ。この「蟲師」はファンタジーのジャンルに分類されるのですが、なぜファンタジーというジャンルがあるのか、という疑問を「蟲師」を見ながら考えたことがありました。結果、「非現実的な事物(ファンタジー)に人間が触れたとき、人の心が表出される」という結論を得た、そんな記憶もある作品です。